Meteor 1.2 RC 版が公開されていたので早速試してみた
Qiita にも書きましたが、個人的なログとしてこちらにも書いておきます。
はじめに
Meteor 次期バージョン1.2の RC 版が Meteor Forums で公開されていました。
以前から Meteor 1.2 の RC 版の存在は知っていましたが、公式にアナウンスされたのは今回の RC version7(v1.2-rc.7)が初めてです。この RC 版はある程度安定して利用できるようになっている模様です。ただし、まだ正式リリースではないため、本番環境で使用するのはまだ控えた方が良いと思います。
Meteor 1.2 の主な変更点
Meteor 1.2 の主な変更点は以下の通りです。
- 新しいプラグインアーキテクチャによるビルドの高速化
- ECMAScript 2015(別名ES6)の機能を標準サポート
- LESS と Stylus のクロスパッケージインポート機能
- Cordova を最新版の 5.2.0 にアップグレード
- ビューレイヤーで React と Angular を公式サポート
- Blazeもこれまで通り使えます
個人的には ES2015 と React/Angular の公式対応が嬉しいですね。 それから Cordova Android で Crosswalk が使用できるようになったところですかね。
Meteor 1.2 では 80 以上もの変更・改良が行われています。 上記変更点含む、Meteor 1.2 の変更点を詳しく知りたい方は Meteor リポジトリの History.md をご覧ください。
Meteor 1.2 RC 版を試す
1. Meteor 1.2 RC 版の新規プロジェクト作成
すでに Meteor をインストール済みの環境であれば、すぐに Meteor 1.2 RC 版を試すことができます 。
meteor create example-app --release METEOR@1.2-rc.7
--release
オプションで、リリースバージョンを指定すると現在の環境を汚さずに Meteor プロジェクトを新規作成できます。
既存の Meteor プロジェクトを 1.2 RC版にアップグレード
既存のプロジェクトを 1.2 RC版にアップグレードする際は、Meteor 1.2 Upgrade Guideを参考にしてください。
meteor update --release METEOR@1.2-rc.7
なお、アップグレードすると前のバージョンに戻すのは難しくなる模様です。 既存の Meteor プロジェクトを 1.2 にアップグレードする際は、バックアップをお忘れなく。
2. Meteor アプリ起動
Meteor アプリの起動方法はこれまでと同じです。
cd example-app meteor
その後ブラウザで http://localhost:3000/ にアクセスして、Meteor アプリの画面が表示されればOKです。
あとはいつも通り開発を行うだけです!
Meteor 1.2 で標準インストールされるパッケージ一覧
Meteor 1.2 ではパッケージが整理されました。また新規機能に関連するパッケージも追加されています。確認してみましょう。
cat .meteor/packages
# Meteor 1.2-rc.7 default packages meteor-base # Packages every Meteor app needs to have mobile-experience # Packages for a great mobile UX mongo # The database Meteor supports right now blaze-html-templates # Compile .html files into Meteor Blaze views session # Client-side reactive dictionary for your app jquery # Helpful client-side library tracker # Meteor's client-side reactive programming library standard-minifiers # JS/CSS minifiers run for production mode es5-shim # ECMAScript 5 compatibility for older browsers. ecmascript # Enable ECMAScript2015+ syntax in app code autopublish # Publish all data to the clients (for prototyping) insecure # Allow all DB writes from clients (for prototyping)
ちなみに、v1.1.0.3 の場合はこんな感じでした。
# Meteor 1.1.0.3 default packages meteor-platform autopublish insecure
ずいぶんとパッケージが増えていますね。
v1.1.0.3 と v1.2-rc.7 のデフォルトパッケージを比較すると、meteor-platfrom
から各種パッケージが分離し、パッケージの入れ替えが簡単にできるようになっています。また、ECMAScript 2015 に関する ecmascript
パッケージ等が新しく追加されています。
個人的に興味深いのは、blaze-html-templates
と mongo
パッケージです。
React と Angular 公式サポートにより、ビューレイヤーのテンプレートエンジンをこれまでの Blaze、それから React、Angular の中から選べるようになりました。それに伴ってテンプレートを簡単に入れ替えできるように blaze-html-templates
パッケージとして分離されたのだと思われます。
また、mongo
のパッケージが分離されているのは、将来 MongoDB 以外のデータベースを利用できるようにするためだと思われます。Meteor のロードマップでは将来 SQL をサポートする予定となっており、Meteor のデータベースに PostgreSQL を使用する試みがすでに始まっています。楽しみですね。
まとめ
この記事ではもうすぐ登場する Meteor 1.2 の RC 版について紹介しました。
Meteor 1.2 では80箇所以上もの変更や改良が行われています。 また ECMAScript 2015 や React/Angular が公式にサポートされるようになりました。 (なお、Angular 2 も将来公式サポートする予定とのことです)
Meteor は今年の5月に2000万ドルの資金調達をしたり、先日 GitHub のスター数でWeb Frameworkカテゴリで1位を取ったりと、いま勢いに乗っている JavaScript Platform となってます。これからも引き続き Meteor に注目していきたいですね!
それでは良い Meteor ライフを!